物件を探すための全体の流れ
物件を探すための具体的な流れは以下のようになります。
大体の目安として、開所6か月くらい前から探すのが良いです。物件が決まらないとその後のスタッフの求人や内装工事も段取りが進みません。
国の定める法令基準と各地域ごとに定めている条例、ガイドラインのいずれも順守する必要があります。
もし基準を満たしていないと許可がおりません。※例:子供一人あたりの最低床面積など
行政基準の確認
物件基準で必ず確認すべき項目は以下のとおりです。
具体的には各地区町村でガイドラインが整備されているので、そちらをご確認ください。
特に建築基準法と消防法については管轄の市区町村と消防署に物件情報を持って相談しに行くことをお勧めします。
<児発、放デイの利用にあたってのチェック項目>
項目 | 内容 |
---|---|
指導訓練室の広さ | 療育に使用する部屋は少なくとも定員一人あたり最低でも2.47㎡以上は確保する必要がある ※例:横浜市の場合3㎡以上が必要など、地域によってバラつきがある |
必要な部屋の確保 | プライバシーが確保できている静養室、相談室、トイレなど |
トイレの数、共用の可否 | トイレは共用が認めらないケースがある |
テナントの場合、階数の制限 | 高層階や地下などはNGの場合が多い |
窓、採光の制限 | 窓や出入り口の数を指定している場合がある |
その他関係法令への適合 | 建築基準法により新耐震基準を満たしていないとダメな場合が多い ※1981年6月以降に設立された物件であればほぼ問題はない 消防法で定める自動火災報知機や消火器、避難経路など基準を満たす必要あり ※特に自動火災報知機が必要な物件でついていないと高額費用になるので注意 都市計画法などによって営業が禁止されている場合もある |
希望条件の整理
自分がやりたいと考える療育内容、定員数を考慮した大きさを検討しましょう。
この時点で詳細まで決める必要はありませんが、運動療育をメインに考えている場合はかなり大きめの部屋を確保した方が良いと思います。
一般的な10人定員の事業所の場合、物件の床面積として最低60㎡~120㎡くらいが最も効率的の良い広さです
さらに重要なこととしてどのエリアで開所するかを決める必要があります。
自分の希望エリアで構いませんが、できる限り広い範囲に設定しないと希望物件がない場合があります。
またこの段階で市町村に総量規制がかかっていないか確認が必要です。
総量規制によって新規に開所する施設に制限を設けている場合があります。
送迎をする場合は送迎車用の駐車場が必須。従業員の車通勤も考えていればその分も含め駐車場をどうするかはこの段階から決める必要があります
基本的には都市部や駅付近の物件以外は、多くの事業所が送迎をやっていますので周辺エリアの事業所がどう対応しているかチェックして、それに合わせる形でよいと思います。
送迎は車両代だけでなく人件費もかかりますが、送迎有りの場合は報酬単位に加算されます。
ただし送迎の加算分程度は実際にかかる費用(車両関係、人件費等)と比べてもそれほど多い訳ではありません。
それよりも初期に児童募集の際に送迎がないと集客面で苦労する可能性はあります。
送迎が有りの事業所 | 送迎がなしの事業所 | |
---|---|---|
報酬(売上) | 売上となります(報酬単位) | 売上はなし |
集客 | プラス面の影響があります | マイナスの影響があります |
スタッフの専門性 | 運転ができる人材を確保する必要がある | 特になし |
事故等トラブル | 事故等につながるリスクはある | 特になし |
希望エリアを決める際には周辺にどのような施設があるのか潜在的ニーズを確認する
市町村のHPなどでその地域の児発、放デイとして運営している施設一覧が開示されています。
それを見て自分が希望するエリアのどのあたりに教室があるのか参考にすることができます。
不動産屋への依頼&自力で探す
希望条件が整理できたら不動産屋に依頼しましょう。できれば複数の不動産屋に依頼してください。
同時に自分でもネット等で探してみてください。
大手サイトではアットホームなどが多くの貸店舗物件の掲載をしています。
店舗物件を探したことがある方は知っていると思いますが、あまり放デイで使えそうなクラスの物件を積極的に探してくれる不動産屋は多くありません。行政基準が色々と厳しくて経営され気味の部分もあるんです。
予算的には大体15万円/月~25万円/月くらいの物件が適していますが、地域差がかなり大きくほとんど出てこないような地域もあります。その場合は希望エリアを再検討するか、条件を変更して探すようにするしかありません。
いずれにしても業者への依頼と並行して自分でも探すようにしましょう。