ともに児童福祉法に基づくサービスであり、目的や対象年齢は違いますが要件の大部分が共通しています。
基準要件と基本報酬
特に物件基準はほぼ共通していますが、各自治体ごとにルールが異なっています。基本的には都市部にいくほど厳しいイメージです。
この基準は各自治体が発行しているガイドラインに掲載されているので参考にしてください。
また、放デイの場合はサービス提供時間医よって区分1(3時間以上)と区分2(3時間未満)がありますが、ほとんどの事業所は区分1だと思いますのでその場合の報酬単位を記載しています。
※2023年9月現在の基準、報酬単位です
※基本報酬は加算は除いています
報酬の仕組み
報酬は基本報酬に加えて加算、減算のうえ毎月合計単位数を算出します。
それに加えて地域ごとに設定されている等級単価をかけあわせて全体の報酬が決定します。
全体の報酬=(基本報酬±加算(減算))×地域ごとの等級単価
※地域ごとの等級単価は11.24~10円の範囲内で設定。最高が東京都の11.24円
<定員10人の放課後等デイサービスで利用者が平均7人/日ほど、平均的な加算は獲得しているケース>
教室の休みを日曜日だけにした場合、加算を考慮し、一日あたり平日が800単位、休日が900単位だったとすると
平日分・・・800単位×10円(地域の等級単価)×7人×20日(平日の稼働日数)=112万円
休日分・・・900単位×10円×7人×4日=25万円
合計・・・112万円+25万円=137万円
一般的には定員に対しての稼働率70%だと良い方?と思われるかも知れませんが、この水準だと人件費と家賃その他経費を考えるとおそらく赤字か利益はほとんどありません。
(開所してからしばらくは、これくらいの稼働率以下になるのは普通ですが、その後も継続するようだと経営は厳しいです)
なので、このビジネスで利益が安定的に見込むには、早く利用人数が定員に到達することが最も重要であり、それができて専門的な職員を配置し加算を重ねて単価を上げていくということが必要になってきます。
<定員10人の放課後等デイサービスで利用者が毎日平均10人、平均的な加算は獲得しているケース>
教室の休みを日曜日だけにした場合、加算を考慮し、一日あたり平日が800単位、休日が900単位だったとすると
平日分・・・800単位×10円(地域の等級単価)×10人×20日(平日の稼働日数)=160万円
休日分・・・900単位×10円×10人×4日=36万円
合計・・・160万円+36万円=196万円
これで利益が残る水準のレベルです。ここを更に増やしていくには言語聴覚士や理学療法士などの加算が大きい職員を配置したりする必要があります。また放デイよりも児発のほうが単価が高いため、収益も高いと思われるかも知れませんが、児発は放デイよりも募集が難しく、在籍していただける期間も短いという面があります。
(参考)利用者の負担額
児発、放デイの利用者は原則的に負担は1割ほどです。ただし上限もあるため実際の負担は更に少ないです。
残りの9割は国や自治体が負担することになっています。
児発、放デイともに共通していますが、現在は法改正によって3~5歳までの児発を利用するお子さんは利用者負担が無償化されていますので、さらに利用しやすい環境になっています。(就学前障害児の発達支援の無償化について)
世帯の収入状況 | 負担上限額 |
---|---|
生活保護を受給している世帯 | 0円 |
市民税が非課税の世帯(280万円/年以下) | 0円 |
市民税が課税されている世帯(890万円/年以下)※最も多い | 4,600円/月 |
上記以外 | 37,200円/月 |
<例・課税世帯で放デイを利用した場合、利用回数ごとの負担額目安>
・月1回利用した場合・・・1,000円前後
・月4回利用した場合・・・4,000円前後
・月10回利用した場合・・・4,600円(上限のためこれ以上はなし)
(参考)詳しく知りたい方におすすめの書籍
児発、放デイの基準は3年に1回大きな法改正があります。特に配置基準や設備基準、報酬の加算や減算は経営者は認識しておく必要があります。
以下の書籍は福祉関連の各業種ごとに関連する法令をまとめたものです。
かなり厚いですが、最新の法令解釈を分かりやすくまとめてあるので、児発、放デイの部分だけ抜粋して読んでおくと経営の役にたつと思います。専門書なので他スタッフが読めるように事業所内に保管しておくと良いでしょう。