フランチャイズ(FC)加盟のメリット、デメリット
児童発達支援(児発)と放課後等デイサービス(放デイ)はともに児童福祉法に基づいた制度ビジネスです。
そのため飲食業、小売業とは異なる観点からビジネスとしての開始を検討する必要があります。
そのあたりの異業種間での比較は検討したうえでこの業種を始めようとしている方は、次にどうやって開所するかを検討することになりますが、フランチャイズ加盟についてもその選択肢の一つとなります。
自力で開設する場合と比べて、フランチャイズに加盟する場合のメリットとデメリットを整理してみました。
メリット
・既に蓄積された運営マニュアルがあり、初めての方でもスムーズに運営することが可能
開所までの物件準備、採用のフォロー、利用者の募集などあらゆる場面でのサポートを受けられる
・FCの看板によるブランド、信用力
利用者からの安心感、信頼感につながり結果的に集客面で有利になる(FCによるところが大きい)
このFCのブランド力は集客の段階において一定の効果はあると思いますが、他業種ほどFCブランド力は影響しません。お子さんを預ける施設を決める利用者としては、まず見学時の様子や職員との会話などが最終的に通所を決める決め手となります。
デメリット
・加盟金の負担、毎月のロイヤリティの負担がある
FCのプランによっては加盟金が0円の場合もあり。ロイヤリティの負担額はFCごとに異なる
・FC契約によるリスク
本部との意見の相違があると不平不満がたまりやすい。撤退時に自分の移行、タイミングだけで決められない時もある。
また本部や他店が不祥事等の場合に連鎖して影響を受ける場合がある。
特にロイヤリティはランニングコストのため、最も重要度が高いです。
また加盟金も初期費用としてとても大きな負担になります。ただし、多くのFCではオーナーに多店舗展開を推奨するために2店舗目、3店舗目の場合は、加盟金を大幅に安く設定しているケースがあります。
また加盟するときはFCの理念、経営方針に大いに賛同できても何年も運営を続けていると考え方の相違や不満がたまることもあります。
そうなった場合の経営のしにくさ、場合によっては撤退することも含めFC特有のリスクといえます。
主なフランチャイズ比較
フランチャイズには全国規模で展開しているところと各地域限定でやっているところがあります。
この業界は大手フランチャイズであってもシェアを大きくとっているところはなく、地域限定でやっている方が圧倒的に多いです。
ここでは主に全国規模で展開している大手フランチャイズを比較してみます。
費用区分 | こどもプラス | こぱんはうすさくら | Granny | コペルプラス(児発) |
---|---|---|---|---|
加盟金 | 330万円 | Aタイプ250万円 Bタイプ 0円 | 300万円 | 550万円 |
開業サポート、他 | ― | 50万円 | 50万円 | 150万円 |
ロイヤリティ | 売上の10% | Aタイプ 売上の8% Bタイプ 売上の5% | 売上の10% | 売上の6% |
この他、一部の研修費等を除くと物件取得費や内装工事費、店舗の備品代などの費用が500~1000万ほどかかるのが一般的です。
その部分はあまりフランチャイズ間による差は少ないと思います。
各フランチャイズ会社からの説明資料に記載されている費用区分は間違いありませんが、収益モデルケースには注意が必要。
定員数が20人のケースが混ざっている場合があります。20人定員と10人定員は条件が全く違うため単純比較はできません。また稼働日をフル(休みゼロ)で計算している場合もあるので、その点はよく考慮してください。
フランチャイズでの開業に適している方
次の条件に合致している方ほど、フランチャイズ加盟に適していると思われます。
・比較的、初期費用がある方
・利益が減少してでも、集客面を優先させ、撤退リスクを極力ゼロにしたい方
・同じ仲間がいて相談しあえる環境をすぐに構築したい方
・開所までの準備~運営後も継続的なサポートが必要の方
・FCの経営理念、考え方に完全に賛同できると確信をもっていえる方
なお、既に開所を経験した方でなければ、完全に自力で開所まで行う方や法人は少ないと思います。
フランチャイズ以外には民間企業や士業事務所など開業支援のコンサルタント契約も多く存在しますので、そちらもあわせて検討すると良いでしょう。