開所前~開所時はほとんど利用できない(結論)
開所時はコストを抑えたいですけど、利用できる補助金などはあるの?
あまりにも種類が多くて調べてもよく分からない・・・
残念ながら、児発、放デイの開所にあたって使える補助金や助成金はほとんどないでしょう。ただし運営時には使えそうなものはいくつかあります。
100%ではありませんが、児童発達支援、放課後等デイサービスの開所までの準備段階ではおそらく利用できる補助金、助成金はありません。 ※2023年9月時点の話
ただし補助金や助成金はたくさん種類がありますので、現時点ではなくとも将来的にはもしかしたら利用できるものが出てくるかも分かりません。また100%と言い切れないのは市町村で独自に設定しているものもありますので、自分の開所地域の補助金、助成金情報は念のためチェックしておきましょう。
補助金と助成金の違い
補助金と助成金はよくまとめた扱いで説明されますが、それぞれ別の種類のものです。
その違いは以下をご参考ください。
補助金 | 助成金 | |
---|---|---|
目的 | 企業や個人事業主へ事業発展や活性化が目的。 特に大企業よりも中小企業が優遇されています。 | 働く人の雇用環境や待遇の向上が目的。 企業への定着化やスキルアップなども |
所管している省庁 | 経済産業省 | 厚生労働省 |
適用条件 | 条件を満たし、かつ審査に受かる必要がある。 手続きも複雑で申請だけでもかなりの工数。 募集期間も短い。 対象となる金額は大きい。 | 一定の条件を満たせばもらえる。 ある程度の申請の工数が必要。 募集期間は比較的長い。 対象となる金額は小~中程度。 |
児発、放デイで使える可能性のあるもの
上記のとおり開所までの準備段階~開所にあたってはほぼ利用できるものはないと思いますが、開所以降には利用できる可能性のあるものもあります。
以下は頭に入れておくと役に立つときがくるかもしれません。
区分 | 制度名 | 対象 | 備考 |
---|---|---|---|
補助金 | IT導入補助金 | ITツールの導入(請求支援ソフトや記録ソフトなど) | 放デイで利用するならおそらくデジタル化基盤導入枠になり実費3/4が対象だが、高額機器は放デイでは少ないと思うので、かかる工数を考えると微妙・・・ |
小規模事業者持続化補助金 | 複数の区分のうち、創業枠として該当 | ※残念ながら創業枠の中で対象になりそうな設備は放デイではおそらくありません (確認時点) | |
社会福祉施設等施設整備費補助金 | 社会福祉の法人が設備購入の一部を補助 | ※県ごと?に問い合わせ先がある模様。児発、放デイのような通所支援事業は対象外となっていました (確認時点) | |
助成金 | キャリアアップ助成金 | パートから正社員への変更時など | 28~57万円 I 正社員化コースが該当する可能性あり |
人材確保等支援助成金 | 人材確保のための制度や環境の改善 | 57~72万円 I 雇用管理制度助成コースが該当する可能性あり | |
特定求職者雇用開発助成金 | ハロワ紹介で特定(高齢、障害)を雇用 | 40~120万円(1~2年間) 特定就職困難者コースが該当する可能性あり | |
高年齢者雇用開発特別奨励金 | ハロワ紹介で65歳以上の離職者を雇用 | 30~60万円(毎年) 放デイでは一番役に立つ助成金かも!? |
まとめ
最初に結論を記載した通り、一番コストが厳しい準備段階~開所までの期間に使えるものはほとんどないでしょう。
もちろん制度なので将来的には変化する可能性がありますが、児発、放デイのような通所事業所は該当するものが非常に少ないです。その理由として助成金に該当するものは報酬の専門職員配置時の加算がそれに該当する等、すでに類似の性質のものが制度によってあるからかも知れません。
また上記の補助金、助成金はもらえる要件を満たしている場合でも、その申請にかける工数を考慮するとあまりメリットがないものもある可能性があるので申請前にはそのあたりも考慮する必要があります。
(おそらく制度が適用すると認識していても、もらえる金額と手間を考えヤメている事業者もいるはず)
結論として児発、放デイの業態で補助金、助成金はあまり活用する場面は少ないと思いますので、あまり過度に深入りしないほうが良いかも知れません。一つ一つの制度はかなり複雑で奥が深いものが多いです。。。