児発管の採用は結構難しい。効率的な採用方法とは

児発管の採用ができずに撤退するリスク
目次

児発・放デイの開業前の3大リスク

児発・放デイの開業を予定している方は、開所後のリスクを考慮されていると思いますが、実は開業できずに撤退せざるえないリスクも結構あるということは知っておいたほうが良いでしょう。

開業までに色々やらなければいけないことがありますが、その中でも特に大きなリスクとしては以下3つがあります。

1.融資の審査がダメだった場合
2.自分の希望とする物件が契約できなかった場合
3.児発管の採用ができなかった場合

このうち最も可能性が高いのが、児発管の採用で失敗するケースです
児発管の採用活動をしている時は、すでに物件契約済みのケースが多く、児発管が採用できなくても費用がかかるため金銭面で大きな負担となります。その状態が続くことになると資金面でギリギリで開業準備を進めている方は、金銭的負担に耐え切れず撤退せざるえません。そのためこの児発管採用は特に注意しないといけないポイントなのです。

児発管の採用はなぜ難しいのか?

最も大きな要因は、児発管の資格を持っていて転職活動をしている方よりも、探している事業所数が大幅に多いためです。

さらに児発管の給与水準も年々上がってきており、一部大手などが給与水準をかなり上げて囲い込んでいるケースも見受けれらます。要するに取り合いになっている状況であり、新規に開所しようとしている方にとっては非常にツライ状況です。

児発管の求職者もその状況はよく理解している方が多いので、いろんな事業所を比較し検討しています。

反対に良い情報としては、前回の法改正で児発管の要件緩和があり、従来は児発管になるために必要なOJT経験が2年間必要でしたが、ケースによりますが半年に短縮されました。令和6年の後半くらいからはその影響で児発管になれる方が増え、若干採用しやすくなるとは思います。

しかしその事情を考慮しても、他の保育士等の職員に比べ、圧倒的に児発管の採用が難しいのは間違いありません。
首都圏で採用活動をしていた知り合いから聞いた話では「1年間程度、求人掲載していたが児発管の応募は2件のみだった。いずれも採用できるような方ではなく、児発管の採用は本当に難しい」とのこと。この方は既に2つの教室を運営中の方だったので採用できれば良いくらいの気持ちでやっていましたが、これくらい採用は難しいということは覚悟しておく必要があります。そのため当初から撤退ラインについても意識しておく必要があります。

どのように児発管の採用を進めるのが良いか?

結論から言うと、児発管の採用方法としてはジョブメドレーを中心に行うことです。
ジョブメドレー以外は登録している児発管数が全然違うため、他の求人媒体で期待できるところはあまりないと思います。
もちろん複数の他媒体も含めて並行して使うことは問題ありませんが、ジョブメドレーは絶対外せません。

求人媒体は大きく分けると以下のような種類があります。

求人媒体の特徴内容対象の求人媒体おすすめ度
①成功報酬型採用することによって料金が発生するジョブメドレー、カイゴジョブなど〇~◎
②一般的な求人掲載サイズや掲載期間によって料金が発生するリクナビ、地域のタウン雑誌など△~〇
③人材紹介ニーズにあった人材を紹介し、かつ採用で料金が発生する療育Biz、ケア人材バンクなど✖~△
④その他無料のもの、クリック数によるものなどハローワーク、Indeedなど✖~△

①成功報酬型

児発管の採用で最もおすすめするのはこのタイプです。いくら広告をうっても採用しない限り費用は発生しません。児発管は有資格者が少なく、採用しようとしている人数も1名のケースがほとんどのため、このタイプでやるのが最も経済合理性があります。ジョブメドレー以外は登録者数が少ないですが、多く登録していても費用はかからないので問題ありません。児発管1名を採用できた時の平均的な費用は30~40万円ほどです。

②一般的な求人

求人媒体によります。たとえば地域に根付いているようなタウン誌などは比較的安価で掲載できる場合もあります。掲載サイズや掲載期間、掲載媒体によっても費用が異なりますが、採用できなくても費用が発生するためある程度のリスクはあります。多くの人が目にするため一般的な職種の採用や複数人を採用したいときなどはおすすめですが、児発管の採用にはあまり適しているとはいえません。それでも閲覧者数が多いため選択肢としては有りです。

③人材紹介

人材紹介を使うのは最終手段です。人材紹介なので候補者の紹介、面接の設定などしてくれますがネックは費用です。平均的な相場は年収の35~40%くらいなので、例えば児発管の給与を30万円/月で設定していれば360万円×40%=144万円です。賞与も出すのであればその分も当然上乗せされます。初期の費用としては非常に高額です。ただし必ず紹介してもらえる訳ではありません。

④その他

ハローワークの求人は費用はかからないのでこれで採用できれば理想的ですが、ハロワ紹介で児発管を採用できたケースは聞いたことがないので難易度はムチャクチャ高いです。Indeedなどクリック型の求人広告は仕組みをきちんと理解すれば可能性はそれなりにあると思います。

採用を開始当初はジョブメドレーは必ず登録し、他の成功報酬型の求人サイトも複数登録してみましょう。そしてジョブメドレーに全力をつぎ込み、一般的な求人雑誌とindeedは予算を考慮して使用するかどうかは決めれば良いです。
2~3か月活動しても採用できない場合は人材紹介の利用も検討してみてください。

ジョブメドレーの使い方(戦略)

採用活動をするにあたっては初期が最も重要です。当然ですが時間がたてばたつほどインパクトは薄れていきますので採用の可能性は少なくなってきます。ジョブメドレーを使用するにあたって児発管の採用は長くても3か月以内に採用することを目標にしてください。よほど資金があれば別ですが、3か月を超える期間の採用は確率がかなり低くなっていきます。

原稿の作り方

原稿はジョブメドレーに委託するやり方と自己作成のやり方の2通りありますが、自己作成モードを選択してください
児発管の採用は超激戦です。少しでも可能性を上げるために工夫すべき点がたくさんあり、ジョブメドレーに原稿を作ってもらうやり方ではひな型どおりのものしかできません。

自分で原稿を作成するのは確かに大変ですが、他の事業所の児発管求人を見て参考にすればそれほど難しくはありません。
丸写しするのではなく、自事業所の特徴を前面にアピールしましょう。この時、一番重要な部分は一番上部のリード文です。
ここに魅力的な文言がなければクリックしてくれないため、ここに全力で工夫した表現を盛り込んでください。

スカウトの活用

原稿ができたら次に必ずスカウトを活用してください。掲載したばかりなので少し様子を見てからとか、ではなく最初から積極的に使っていきます。スカウトを送ると大体3~4倍くらい応募確率がアップします。児発管は競争が激しいので積極的にこちらからアクションをしていかないといけません。待ちの姿勢では採用できませんよ。

この時のコツですが、最初のうちはどうしても対象者一人ひとりのプロフをじっくり見て検討したい、と思いがちですが、ジョブメドレーのスカウトは一カ月200人までは無料となっており非常に優秀です。ですので細かいプロフを見るより、住居地域、年齢、児発管の資格くらいでフィルタにかけて、対象となる方にはとりあえず送ってみる、くらいの感覚のほうが良いです。

採用活動はやってみるとすぐ分かりますが児発管の応募はなかなかこず、応募があっても問い合わせだけや、面接をすっぽかす方などもいて面接にたどりつくだけでも至難です。そのためスカウト機能を使える限界まで使って少しでもその可能性を上げることが重要です。スカウト=採用ではないので、応募してきてもスカウトした人だからと優先的に考える必要はありません。

スカウトする人がいなくなったら

スカウトを使いつづけるとそのうちに送信する対象者がもういないという状態になります。児発管は数が少ないのでおそらく1~2カ月でその状態になる可能性は高いです。そうなった場合、まず対象地域を広げてみましょう。対象地区の隣接する地域まで広げてみると応募がくる場合があります。この地域というのは求職者の居住地域と求職地域と二つありますがどちらでも構いません。あまり深く考えずに可能性があればどんどん送ってみてください。
※最初から対象地域を広めてスカウトしてもOKです

さらに隣接する地域の対象者もいない状態になったら、今度はスカウト候補者の有資格者欄の”児発管”のチェックを外して希望職種欄に”児発管”が入っている人を探してみてください。児発管の配置は、みなし児発管(基礎研修まで終わって実践研修が未実施の方)も要件によっては配置できます。ジョブメドレーで求職者が登録している方は何年も登録している方が多く過去の登録状況を更新していない方もかなりいます。そのため有資格者に児発管のチェックがなくても実は有資格者であったり、配置が可能な”みなし児発管”の方も一定数存在するのです。

児発管の資格は分かりにくいうえ、みなし児発管の配置基準まで知っている方は少ないです。そのためもし応募があれば面接の前にその方が児発管として届出要件を満たした方なのかは確認するようにしてください。

常に上位に表示されるためのコツ

ジョブメドレーでは求職者が希望条件で検索をすると、該当する事業所が一覧になって表示される仕組みです。このときの検索順位は非常に重要です。検索して2ページ目以降に表示されるようになると閲覧者が激減してしまいます。

仕組みとしては更新の都度、10日間くらい上位に表示される仕組みになっていて、それ以降は段々と古くなっていき後ろのほうに検索順位が下がってきます。

これはつまり、10日間程度の間隔で更新をすれば常に上位をキープできることになります。そのため求人広告は定期的に見直すことを必ずしてください。ちなみに更新さえすれば小さな変更でも上位になるはずですが、ジョブメドレー側でも審査確認はしているはずなので、あからさまな一文字だけの更新とかではなく、しっかりと内容を精査して更新するようにしたほうが良いでしょう。

・原稿は自分で作成する。特に冒頭のリード文は全力で工夫する
・スカウトは活用し、対象はかなり広めとし、無料上限の200件/月を十分に活用する
・スカウトを送る人の資格だけでなく希望職種のほうに”児発管”がチェックしている方も対象にする
・原稿の更新はできる限り10日間おきくらいにすること(検索順位の上位表示をキープする)

児発管の採用を進めるにあたってのまとめ

ほとんどのケースが物件契約をした後に採用活動をするため、採用の成否にかかわらず家賃負担は発生してきます。もし可能であれば物件契約前に児発管の採用をしたいですが、働く場所が確定していない条件では通常の求職者を採用するのは非常に困難のため、ここはリスクですが仕方ないと思います。しかし不動産会社が協力してくれて費用をかけずに物件を一定期間確保できるような環境なら、是非そうしてください。

内装工事はこの段階ではしてはいけない

物件を契約しているケースがほとんどですが、その場合でも児発管の採用中は内装工事はするべきではないでしょう
内装工事自体が何百万円必要なことに加え、万一、採用できなかった場合に物件解約となれば元の状態に回復する必要があるため、リスクが大きくなりすぎてしまいます。(そのため内装工事後は撤退はしないほうが良いと思います)

児発管以外の職員採用は後回しにすること

これ超重要です。もし他の職員を正社員で雇用しまい、児発管採用ができないと致命的です
一旦、雇用契約をすると、例え開業に目途が立たなくとも給与は支払わなければいけません。
当然、社会保険も含め、それが人数分ずっと続く訳なので、すぐにピンチとなります。

そのため新規に事業所を開所する場合は、まずは児発管の採用できてから他の職員を採用するのが鉄則です。
※ただし他の職員がパートで、開所に目途がたってから雇用しますという内容で合意ができているなら別です

最後は人材紹介で・・・は実はあまり期待できない

人材紹介会社は一番費用がかかります。そのため利用を検討するのは最終段階と説明しましたが、それでも採用できることを確約するものではありません。私は4つの人材紹介会社に2カ月間、児発管を紹介してもらうように依頼しましたが、一人も紹介してもらえませんでした

児発管の人材紹介会社はたくさん存在し、各社ともに”児発管採用ならお任せとか採用に強いとか記載されています。しかしそれでもメチャクチャ厳しいはずです。リクナビ系の人材紹介会社は大手でもあまり介護福祉の分野は強くないため、使うなら介護系の人材紹介を使ってください。

要するに、最後は費用を百数十万払えば何とかなると思っていたらそれは間違いということを覚えておいてください。
やはり児発管は今のところジョブメドレー以外には有力な採用媒体はないと思います。

できれば一番はじめの事業所は知り合いなど縁故での採用か、あなた自身が児発管の選任要件を満たすのがベストです。
児発管の選任要件は、完全に満たしていなくても、みなし児発管でも選任できる可能性があることは知っておいてください。

3つのハードルを乗り越えたらもう撤退しない!

今回は開業前の大きなハードルとして3つあることを紹介しました。融資、物件、採用です。このうち採用が最もハードルが高く、特に児発管の採用成否が最大の壁のため今回は特化して説明しました。

2教室目、3教室目なら例え採用できなくても既存の教室で職員に児発管を取得できるようにして配置するという選択肢がとれますが、新規の教室の場合はそうはいきません。

採用開始前から児発管の採用がうまくいかない場合の撤退ラインも決めておく必要はあると思います。
逆に児発管採用がうまくいけば、もう撤退は考えず、他の職員の採用と内装工事を進めて開業準備を進めていきましょう。

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